1.内臓痛について

内臓から生じる感覚を内臓感覚と言いますがこの言葉は多くの人にとってあまり馴染みのある言葉ではありませんが日頃から必ず感じている感覚です。内臓感覚には、内臓の痛み、空腹感、満腹感、口渇感、吐き気、尿意、便意などがあります。
内臓痛は胃腸が強く収縮や痙攣したり、内臓の腫れ、圧迫で生じます。また内臓組織の損傷、癌が神経に浸潤することなどなどによって起こる場合もあります。基本的にはどこが痛いのかピンポイントでは特定しづらく、下腹部が痛い、胃の辺りが痛いなど大体の場所しかわからないのも特徴の一つです。

2.身体の不快感は脳から

満腹感、空腹感、吐き気などは、胃腸でそれらの感覚が発生しているのではなく、身体の状況に応じて脳が起こしています。内臓には多くのセンサー（受容器）があります。胃腸の壁にはそれが引き伸ばされたことを感知するセンサー、大動脈や頸動脈には血中の酸素濃度を感知するセンサー（化学受容器）や血圧を感知するセンサー（圧受容器）があります。また小腸や肝臓、視床下部には血糖値を感知するセンサー、脳幹などには化学物質を感知するセンサーがあります。
これらのセンサーで感知した情報は自覚できるものではありませんが、それらの情報を脳が受け取ることで、脳が状況に応じて様々な反応を身体に起こします。（空腹感、満腹感、尿意、吐き気など）